書道との出会い
昨年末に開いた年末企画の第二弾「書きぞめれんしゅう教室」は少数のお申し込みでしたが、じっくりと書に向き合う時間となりました。ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!!
ご家族参加のおかげであれもこれもとたくさんの字を書いたり、初めてしっかりと毛筆を握った子供たちが少しずつ字を書くことに集中している様子が見られました。難しくて休憩が長くなった子もいたけれど、最後にはしっかり仕上げていました。
この辺りの一部の学校では書き初めの宿題がないのと、授業で取り上げること自体が減っていると聞きました。んー・・・ザンネン。
私の書道との出会いは、小学3年生の秋。初めて毛筆で書いた字は「三」。
たまたま真後ろの席の女の子が書道教室に通っていたこともあって、彼女の書いた「三」が良い例として黒板に貼られたのです。私の書く「三」はというと・・・あれみたいにうまく書けていない、全然ちがうじゃん・・・
・・・この「ちがい」を知りたい知りたい!
私やるわ!書道!! おかあさん、私スイミングやめて書道するわ!!
そして、スイミングをきりのいい級でやめて、もっとも家の近くにあった書道教室の門を叩きました。
なんて格好いいものではなくて、私の故郷は田舎なので、習い事といえばスイミングかそろばんかピアノ、そして書道くらいしかないんです(十分?)。だからだいたい同じメンツが揃っていて、やっていることが違うだけで近所のいつもの顔ばかりで、入会はそんなにハードルが高くなかった気がします。
それでも、先生はおじさんであんまり笑わないし、おしゃべりなんかしていると叱ってくるし、子供としては怖い存在でした。大人の人もたくさん通っていて、教室の入退室の際に先生に深々とお辞儀をして、静かにお手本と見比べながら黙々と書いている。スイミングとはまったく違う、それなりに厳かな雰囲気。でも、昔からKYでおてんばな私が何度叱られても嫌いにならない空間だったのです。
で、始めこそはうまく書けなかったのですが、通うのに慣れてきた数ヶ月後から、その書道協会内の同学年・同段級の中でいつも一番良い作品という「賞」を毎月のように獲り、協会の月刊誌に何度も書いた字や書き初めが掲載されるようになりました。
新潟を中心に北陸と甲信地区に教室がある協会なので、会員数も多く、しっかりとした協会だと後年知りました。単なる生徒でしかない私が言うのもヘンですが、この書道協会のお手本の字が、とにかく力強く、清く、美しいのです。単に綺麗に書く、正しく書くだけではない心のこもった字なのです。もちろん、私が通う教室の先生の字にはいつも見惚れていました。
「字は心で書く」
屁理屈好きな私にはうってつけだったというわけです。
感覚的なものでしたが、私はこの教室とこの先生に出会えて本当に良かった。これといって自慢できるものがなかった私に、字を書く愉しみと自信を持つ経験を与えてくれました。
半分自慢みたいな記事になってしまいましたが、人様に字を教えているからにはこんな昔話もしておこうかと思いまして。
でも、とどのつまり、字を綺麗で上手に書くことを教えたいのではないのです。字を書くことは好きでいてほしいです。現在進行形と未来形です。
そして、字ではなくて、あなただけの好きな事、やってみたい事があったらチャレンジし続けてほしいのです。
たまたま私は書道と美術だっただけです。必ず、君だけの、あなただけの道が見つかりますように。
ちょっとはまとまりましたかね。
これを新年のご挨拶に代えさせていただきます笑
今年も細々とやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。